債券の選び方

 債券投資をする場合には、その債権が有するリターンとリスクを把握し、自分の資産形成目的にあった債権を選ぶことが重要です。

 債券投資のリターンは、利率や、購入時の価格と額面の差額からある程度判断できます。これは将来の株価や配当額が読めない株式とは大きく異なる点です。

 債券投資のリスクとしては、(1)信用リスク、(2)価格変動リスク、(3)為替変動リスク、(4)流動性リスクの4つがあります。

 債券投資をする場合には、満期まで保有することも一つの方法ですが、金利や為替の動向に注意を払い、適切なタイミングで売却することも重要な手法の一つです。

 

1.信用リスク

 債券投資をする場合、発行体の経営悪化などにより元本の返済や利子の支払いが滞ったり、経営破綻などにより倒産するリスクがあり、このようなリスクを信用リスクとよびます。

 信用リスクは、「目論見書」に記載されている、発行体の事業内容や財務状況などに関する情報や公社債の発行条件からある程度判断することができます。

 もっとも、個人投資家が、目論見書から信用リスクを判断することは簡単ではありません。そこで、参考として、ムーディーズや格付投資情報センターといった格付機関が発行する格付けを参考にすることができます。格付けは、公社債ごとに、格付機関が評価して、その度合いを簡単な記号(AAA「トリプル・エー」、B「シングル・ビー」など)で表したものです。

 もっとも、格付けは絶対的なものではなく、高い格付けであれば絶対安心ということはありません。発行体の経営状態の変化などにより格付けが変更されることもありますし、同じ公社債でも格付機関によって評価が異なることもあります。

 

2.価格変動リスク

 公社債の保有期間中の資産価値が市場金利などに応じて変わるリスクのことを価格変動リスクといいます。

 公社債を償還するまで持たずに換金する場合には市場価格で売却することになりますが、この市場価格は、景気や政策などさまざまな要因による金融情勢を反映した市場金利の変化に応じて変動します。一般に、金利が上昇すると市場価格は下がり、逆に、金利が低下すると市場価格は上がるという関係にあります。

 

3.流動性リスク

 公社債を中途換金する場合には、価格変動リスクのほかに、買い手がなかなか現れず、希望するタイミングに売却ができないことがあり、このリスクを流動性リスクといいます。

 

4.為替変動リスク

 外貨建ての債券は、為替相場の変動によって円に換算した受取額が変わるリスクを為替変動リスクといいます。購入時に比べて為替相場が円安になった場合は円での受取りが増えますが、逆に円高になった場合は円での受取りが減ることになります。

 

作成日:2022/01/10
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Allears オールイヤーズ事務局で作成した記事です。
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